個人情報保護法の初学者向け書籍一覧 #legalAC
これは法務系アドベントカレンダー2022のエントリーになります。
法務系アドベントカレンダー幹事のkanekoです。
今年も25日間に渡るバトンの受け渡しが始まりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに
最近、複数の方に「個人情報保護法について勉強しなきゃいけなくなったんだけど、何から読んだらいい?」と聞かれました。
「個人情報保護委員会のガイドラインやQ&A(以下総称して「PPCガイドライン等」)を読め!」というのもちょっと酷だよなぁと思ったので、「個人情報保護法を勉強しなきゃいけなくなった初学者がPPCガイドライン等を読む前に読んどくとよさそうな書籍一覧」をメモしておこうと思います。
※あくまで個人的な見解に基づくものです。
※皆さんの反応をもとに、適宜更新するかもしれません。
※書籍については、Amazonへのリンクを張っていますが、アフィリエイトではありません。
※日本の個人情報保護法を前提としています。
個人情報保護法の大枠を知る
➀60分でわかる!改正個人情報保護法超入門
まず最初に読むのであればこれ。
【特徴】
- フルカラーかつ図が豊富でイメージしやすい。フルカラー大好き。
- 必要最低限の内容を150ページ程度でまとめてくれている(改正法以外の箇所もちゃんとカバー)。
- よく議論になる細かい論点も一部カバーしている。
詳細は下記↓
【書評】60分でわかる!改正個人情報保護法超入門~事業部におすすめしたい一冊~ - Nobody's 法務
②個人情報保護法の知識
➀の後にもう一冊読むのならこれ。
【特徴】
- ➀よりも細かく記載されていますが、それでいてコンパクトにまとめられている。
- 改正法に対応しつつ、個人情報保護法の成り立ちや各ガイドライン等の関係性もしっかり説明されている。(体系的に理解できる)
- フローチャート(図表)がわかりやすい(岡村先生の著書の特徴の一つだと思います)。
なお、個人情報保護委員会も頑張ってはいて、マンガとか動画コンテンツを用意してくれています。
周辺領域の知識を得る
③図解まるわかり データベースのしくみ
個人情報保護法周りの実務対応をするとどうしてもデータベースに関する理解が必要になってきます。(個人情報と個人データの違いを把握する上でも必要だと思います)
【特徴】
- フルカラーじゃないけど2色刷り。
- データベースの概念的なところから話が始めるので読みやすい。
- よくkindleで半額になっている(その時に買うべし)
④情報セキュリティの技術と対策がこれ1冊でしっかりわかる教科書
安全管理措置や漏えい時の対応等でどうしてもセキュリティの知識も必要になってきます。その際の1冊目としては個人的に本書をおススメします。
【特徴】
- フルカラーなので読みやすい。フルカラー大好き。
- 図も多いのでイメージがしやすい。
- 情報セキュリティマネジメント試験を受けようと思っている人が参考書を読む前に読んでおく書籍としてもいいかも。
⑤【改訂新版】良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方
【特徴】
- 利用規約中心ですが、プライバシーポリシーについても解説されている貴重な書籍
- プラポリのサンプルとその各条項の解説が載っている
- これ読んだ後に気になる企業のプライバシーポリシーみるとさらに勉強になると思う
当時の書評↓
【書評】良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方~オンリーワンな利用規約入門書~ - Nobody's 法務
なお、2019年発売なので直近の法改正に対応していませんが、そこはPPCガイドライン等を読破後にTMIの「プライバシーポリシー作成のポイント」でUpdateしましょう。
超絶番外編:PPCガイドライン等を読むときに一緒に読んでおくといい文献
ちょっと本エントリーの趣旨には合致しないのですが、雑誌NBLで連載中の
岡田・北山・小川「個人情報保護をめぐる実務対応の最前線」
は個人的に一読をおススメします。
「ガイドラインやQAには載っていないけど実務で悩むよねこれ」という論点に関して言及されていることが多く、非常に参考になります。
例えば、URLパラメータでのID引き渡しは第三者提供か?みたいな。
最後に
なんとか間に合った。ゼェゼェ(息を切らしながら
次はahowota先生です!