Nobody's 法務

略称は「ノバ法」。知財、個人情報、プライバシー、セキュリティあたりを趣味程度に勉強している元企業ホーマーのまとまりのない日記。あくまで個人的な見解であり、正確性等の保証はできませんので予めご了承くださいませ。なお、本ブログはGoogle Analysticsを利用しています。

【書評】著作権判例百選 第6版~著作権クラスタオールスター~

 

f:id:kanegoonta:20190323204718j:plain

 

著作権判例百選 第6版 (別冊ジュリスト 242)

著作権判例百選 第6版 (別冊ジュリスト 242)

 

 

 

 大学やロースクールで法律を学ぶ者であれば一度は手に取ったことがあるであろう判例百選シリーズの著作権法です。第5版から約2年という短いスパンでの改定になります。

 

 はしがきに「全体の構成、裁判例の選択、執筆者の選択を一新することとした」と書かれているとおり、第5版からかなりのリニューアルがされています。(なぜそうなったかは言うまでもないでしょう。)

 

【目次】

 

 

1.執筆者が(やっぱり)豪華

 (今までもそうですが)著作権法の専門家(学者・実務家)が勢ぞろいです。まさに著作権クラスタオールスターです。

 とはいえ執筆者も第5版からかなり入れ替わっており、いい具合に世代交代も見られます。(例えば、中川隆太郎先生、小坂準記先生、伊藤雅浩先生、中崎尚先生が新たに執筆者に加わっています。)

 

f:id:kanegoonta:20190323205054j:plain

↑目次だけみても豪華やで 

 

 

2.裁判例も最新のものをしっかりフォロー

 お馴染みの判決だけでなく、ステラマッカートニー青山事件(平成29年4月27日判決)やツイッター事件控訴審(平成30年4月25日判決)も収録されており、最新の裁判例をしっかりフォローしてくれています。

 

f:id:kanegoonta:20190323202649j:plain

本書124ページ

↑ 中崎尚先生によるツイッター事件控訴審

 

 

3.著作権判例百選事件はなんと...

 誰もが気になっているのでは「著作権判例百選に著作権判例百選事件が載るのか」「載るとして誰が担当するのか」でしょう。

 

さて。。。あるかな?

f:id:kanegoonta:20190323203109j:plain

 

お、

f:id:kanegoonta:20190323203140j:plain

 

おおー!!

f:id:kanegoonta:20190323203215j:plain

 

 そして担当は金子敏哉先生じゃないですか!

 (金子敏哉先生といえば、かの高名な法学教室でパロディー全開の記事を掲載してkanekoの中ではもはや伝説になっています。詳細は法学教室2018年2月号32頁以降を参照されたい。なお、kanekoとは一切血縁関係はございません。念のため。)

 

 

4.最後に

  まだ私も全部読めていませんが、引き続き著作権法を学ぶ人の必需書となると思います。

 

f:id:kanegoonta:20190323203634j:plain

歴代の判例百選を並べてみた。 大学時代に購入した第4版はもうボロボロ。。。

【書評】データの法律と契約~経産省データ契約ガイドラインを上手く補足してくれる一冊~

データの法律と契約

データの法律と契約

 

 

 著者は西村あさひの福岡真之介先生と松村英寿先生。福岡先生といえば、「AIの法律と論点」「IoT・AIの法律と戦略」といった書籍にかかわっており、この分野の第一人者の一人だと思います。(「IoT・AIの法律と戦略」は3/18に第2版がでるようです。)

 また、著者の福岡先生は経産省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン検討会」(以下、契約ガイドライン)の構成員もされていますね。(福岡先生自身はAI側の検討班とのこと。)実務で契約ガイドラインの雛形を利用されている方も多いのではないでしょうか。

 

 

1.データに関する法体系書

 はしがきに『本書は、ビッグデータに関する法律について解説したものである。筆者が知る限り、ビッグデータの法律問題に関して体系的に整理した書籍は本書が初めてではないかと思う。』と書かれている通り、ビッグデータに関わる法律問題について詳細に解説されています。

 「データ」とはなんぞや?という話から契約法、知財法、個人情報保護法独禁法といった法律にまでしっかり解説されています。

 ちなみに、本書のうち、契約法が約30ページ、知財法が約70ページ、個人情報保護法が約130ページ、独占禁止法が約40ページ程です。やはり実務的に問題になりやすい個人情報保護法に本書の大部分を割いているのは特徴的だと思います。

 契約ガイドラインでもこの辺りに記載はあるものの、簡易的な記載に留まっているため、個人的に「足りないな」と感じていたところをしっかりカバーしてくれている印象です。

 

f:id:kanegoonta:20190304004649j:plain

本書10、11ページ

↑「データとは?」「データって何で価値があるの?」みたいな項目も。データの概念的なところから解説されています。

 

f:id:kanegoonta:20190304004723j:plain

本書36、37ページ

↑データに関わる法律。ちなみにここに限らず、図面や一覧表が要所要所に記載されており、イメージがつきやすいような工夫がされています。(とはいえ、まったく一般人向けではありません。笑。法務や弁護士向けですね。)

 

2.体系書ではあるが、しっかりビジネス取引を想定しつつ突っ込んでく

 法津の体系書なのですが、(当たり前かもしれませんが、)しっかりビジネスを想定した言及がされています。

 例えば、パーソナルデータの箇所では、

データを用いたビジネスの事業者の視点からは、集める情報はなるべく多い方が良いと考えがちである。確かに一見無関係のように見えるデータであっても、その中から新たな関係を見つけてビジネスに役立てることがビッグデータの発想であり、データは多ければ多いほど良い。また、データ分析を行うAIの能力を上げるためには、教師となるデータは多ければ多いほどよい。そのため、知らず知らずのうちに、多くの情報を集めようとする結果、個人のプライバシーを侵害する方向での設計になってしまう危険性がある。

  プライバシー侵害が懸念されるようなビジネススキームは、社会的に批判されることになりかねない。プライバシーを侵害するビジネススキームで事業を行なっていたところ、ある日突然ネットで炎上して、作り上げてきたビジネススキームが崩壊するようなことも、現実に起こっている。プライバシー侵害が懸念されるようなビジネスやサービスは、社会的批判を受けるだけでなく、多くの人が敬遠して利用しなくなるため、ビジネス的に失敗するおそれが高い。プライバシー保護とデータビジネスは必ずしも相反するものではなく、プライバシーに配慮することが、結果として、ビジネスの発展にもつながる。

149、150ページ

とプライバシーへの配慮の必要性についてもしっかり言及してくれています。

 個人的に実務をやっていて「個人情報保護法的にOKでもプライバシー的にNGっていうのがあって、明確に線引きはされていないけど、その境界線ををちゃんと見極めないといつか炎上する」と思っていたりするので、上記は「うんうん」と頷きながら読んでいたり。

(上記引用箇所を読みながら炎上したたくさんの事例が頭の中で思い浮かんだらあなたは立派な個人情報クラスタだと思います。)

 

 また、個人情報の定義の説明箇所では、個人に「関する」の範囲について

家電や自動車の稼働状況やドレイブレコーダーやヘルスケアデバイス等の移動経路・位置情報については、氏名等と容易照合性がある場合には、個人情報であると解することになろうが、このような解釈は広すぎるとの批判もあるところである。例えば、企業が氏名と照合できるデータベースを持っている状況で、自動車のエンジン回転数・ブレーキ作動状況や冷蔵庫の温度データのみを外部に提供することについて、個人情報の第三者提供に当たり、本人同意が原則として必要ということになるのは、一般的な感覚と乖離があるようにも思われる。データベースとの連携を断ち切ることによって容易照合性をなくすという方向性もあるが、この「関する」を制限的に解釈することによって、これらのデータは個人に「関しない」と整理することで、個人データではないとする考え方もあり得る。

160ページ

 と少々突っ込んだ?解釈を示したり、個人情報の委託スキームの限界の解釈に記載されていたり、興味深い点がたくさんです。

 

f:id:kanegoonta:20190304004813j:plain

本書214、215ページ

↑実務的に「どこまで委託スキームで解釈できるのか」を考える上で参考になると思った箇所です。このページの内容については、ちょっとまだkanekoもうまく咀嚼できていない部分です。委託して委託し返すスキームとか。

 

f:id:kanegoonta:20190304004847j:plain

本書338、339ページ
↑データ利用契約時に検討すべきポイント。契約レビューやドラフト時に手元にあると抜け漏れているポイントがないかを確認できます。もちろん巻末にモデル条項もついています。契約ガイドラインと比較しながら読むと面白いと思います。

 

f:id:kanegoonta:20190304004933j:plain

本書392、393ページ

↑物理的なデータの流れと法律的なデータの流れが異なる点にもしっかり言及してあります。特に当事者が多数になる場合も想定して書かれていますので、参考になります。ちなみに、この手の解釈って結構法務の感覚では当たり前ですけど、現場担当者はすごく混乱しますよね。苦笑

 

f:id:kanegoonta:20190304013624j:plain

本書400、401ページ

↑データのジョイントベンシャーなんて項目も。データ関連ビジネスをしている会社だとこのような相談もあると思うので、すごい参考になると思います。

 

3.改正法にも対応

改正不正競争防止法(限定提供データ)やH30年改正著作権法にも図解を用いながらしっかり言及されています。

 

f:id:kanegoonta:20190304005016j:plain

本書88、89ページ

↑限定提供データの解説。ここでも図を用いて理解しやすいように工夫されています。先日公表された「限定提供データに関する指針」も案の段階ですが、ちゃんと踏まえて記載されています。

 

f:id:kanegoonta:20190304005041j:plain

本書130、131ページ

↑H30年改正著作権法の解説。図解で現行法との比較がされています。いやぁ著作権法って複雑だなぁ(遠い目

ちなみに、「データについて著作物性を認める余地があるのか」という点については思ったよりも深く考察(パターンごとに考察)されていて勉強になりました。

 

4.結論

自分用に1冊買いましたが、会社用にもう一冊買うことになりました。

 

「toCサービス法務担当者の会」兼「 legalAC打ち上げ」無事終了しました! #2clegal #legalAC

f:id:kanegoonta:20190223150017j:plain

 

いろいろあって、法務イベントの幹事を行いました。

toCサービス法務担当者の会

legalAC打ち上げ

 

f:id:kanegoonta:20190223150048j:plain

 

参加頂いた皆様、共同幹事「身入る」改め「ピスタ・チオ太郎」さん、アーリーさんはじめ運営サポート頂いた皆様、おいしいハンバーグ作って頂いた助っ人みらい姉さん、

本当にありがとうございました!

ご参加できなかった方、また機会ありましたらよろしくお願いいたします!

 

今まで何度か他の会社の法務や弁護士の方との交流会に参加してきたのですが、

『情報共有(情報を一方的に受け取るのではなく、発信していくことも含めて)の大切さ』

をすごく感じているので

今回参加された皆様が「少しでも得るものがあった」と感じてくれたら幹事の一人としてはとても嬉しいです。

 

f:id:kanegoonta:20190223150226j:plain

※一部モザイクをかけています。 

 

当日はバタバタで、参加者の皆様全員に挨拶できなかったし、自分の司会はチョー雑にやっちゃたりして、もし今回の会に満足できなかった人がいたら、すみません。後でこっそり教えてください。

 

さてさて、次はどうなるのでしょうか。。。*1

 

【参加者による今回のイベントに関する感想等のエントリー】 

dtk.doorblog.jp

blog.livedoor.jp

 

【ツイートもいくつか】

 

 

*1:「次はLT」というご要望を既に何件か頂いています。苦笑

私的ダウンロード違法化拡大のパブコメ結果がでてた。

文化庁の「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめ(2018年12月)」に対するパブコメ結果が公表されていたようです。

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会中間まとめ(2018年12月)」に関する意見募集の結果について

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h30_08/pdf/r1413427_01.pdf

 

「ぶっちゃけ意味ないんじゃね?」という気がしないでもないですが、「何もしないよりはマシ」と思ってkanekoも初めて提出してみました。

 

「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」は534件(団体35件,個人499件)の意見があったよう。「音楽・映画を対象とする私的ダウンロード違法化」の際には8720件だったよう*1ですので、それに比べると少ないものの、リーチサイト規制関連が計60件なので突出してはいますね。

 

パブコメを読むと、各団体の考えがわかって非常に興味深いです。

 

なお、kanekoが提出したパブコメの内容は以下になります。

パブコメ提出原文のママ(誤記やわかりにくい表現含めそのままです。)

※あくまでkaneko個人の考えです。

※認識として間違っている点があればご指摘お願いします。

 

以下の点からダウンロード違法化の見直し(以下、本案件)に反対します。

①ユーザー側の萎縮行為が見込まれるダウンロード違法化の拡大よりも先にやるべきことがあると思われる点(海賊版対策という趣旨なのであれば、プロバイダ責任制限法の改正が優先であろうと思われる点)

 本案件は、いわゆる海賊版サイトへのサイトブロッキングの議論から生じた検討事案と理解しております。海賊版サイト自体は現行法及び別途パブコメ事案のリーチサイト規制案が成立されることによって、広く違法化されるものと理解しており、ユーザー側のダウンロード行為まで違法化する必要性はないものと考えます。むしろ、海賊版サイト側が違法であっても、訴訟の手続き的な面も含めてハードルの高いプロバイダ責任制限法を改正し、権利者側にとって利用しやすい制度に変更することのほうが「現実的な海賊版対策になる」ものと考えます。

 なお、本案件のまとめ案において、萎縮効果は確たる事例はでてこなかった旨の記載がありましたが、私的領域内において現行法上違法でないものを違法化する以上、程度はあれ一定の萎縮効果は発生するものであり、萎縮効果は発生する前提で法改正の議論を検討すべきと考えます。

②二次創作文化への影響がありえる点(原著作者に許諾のない二次的著作物の私的ダウンロードも違法になり得る点)

 本案件のまとめ案を拝見いたしますと、『原作者に無断で二次的著作物である同人誌やイラストを作成した作者が自身でSNS等のWEB上の共有プラットフォームに当該二次的著作物をアップした場合、これをユーザーが私的にダウンロードする行為』も一定条件のもと、違法化する可能性があるものと理解しております。

 コミックマーケットをはじめとする同人業界においては、二次創作した作者がイベント前にTwitterやpixivといったWEB上に作品の画像を投稿し、告知する習慣があり、購入する側のユーザーは当該画像を日常的にダウンロードしています。また、購入する側のユーザーも「この作品が現作品の著作(権)者に許諾がないこと」を概ね理解しているケースが多くあるものと思われます。

 したがって、本案件は上記点から同人業界(いわゆる二次創作)において一定程度の悪影響が発生する可能性のあるものと理解しております。

海賊版を私的ダウンロードする行為が違法となり、一方で海賊版を私的利用目的で購入する行為は合法となり、整合性があわない部分が拡大する点

 本案件のまとめ案によると、海賊版を私的ダウンロードする行為が一定要件のもと違法となり、一方で海賊版を私的利用目的で購入する行為は引き続き合法であると理解しています。ダウンロードは複製行為が発生するという違いはあるものの、形式的にはほぼ同じような行為なのに違法かどうかが変わってくることに違和感を感じております。

 上記②の例において言及にした同人業界において、TwitterやpixivといったWEB上に投稿された著作(権)者に許諾がない二次的著作物をユーザー側がそれを知りながらダウンロードする行為は違法になり得るにもかかわらず、コミックマーケット等の同人イベントにおいて、同人誌等を私的利用目的で購入すること(さらには、自宅で裁断し、電子書籍化して自炊することも含めて)は違法にならないというのは、整合性が合わないものと思われます。これは音楽や映画の著作物においては、現行法でも生じている問題ではあると認識はしておりますが、この整合性が合わないことが拡大することに対しての説明が本案件のまとめ案において明確に説明されていないように見受けられるため、賛成できるものではないと感じております。

 

ちなみに、現在改正案は自民党の文部科学会で審議になったようです。

 水野先生いわく、もう時間がないよう。

 

 今が声をあげる最後のチャンスかと。

 

【書評】「広告の著作権」実用ハンドブック~カオスな広告周りの著作権をわかりやすく解説~

こんな時、どうする?「広告の著作権」実用ハンドブック (ユニ知的所有権ブックス)

こんな時、どうする?「広告の著作権」実用ハンドブック (ユニ知的所有権ブックス)

 

 

広告の著作権(等の知財法)に特化した書籍です。第2版をようやく読了。

 

広く広告関係者向けのハンドブックとして、広告に関連する知的財産管理のポイントと、いざという際の実務上の対処方法が簡潔に理解できるようなものを発行しよう。これが本書の刊行趣旨であった。

3ページ

と書かれているとおり、法務以外の現場担当者もスコープに入るように書かれています。「カオス」としかいえない広告の著作権をわかりやすく記載されていると思います。

 

 広告の著作権については書かれた書籍は、現在であれば、電通法務マネジメント局編「広告法」がありますが、

  • 「広告法」が法務担当者向けと思われる一方(いかにもな法律書っぽい)、本書は法務以外の担当者もスコープに入っている点
  • 「広告法」は知財以外の法律(景表法や個人情報保護法等)も対象としている点

は大きく異なる部分かと思います。

 

本書の目次

Ⅰ.広告は知的財産権スクランブル交差点
Ⅱ.広告実務から見た知財
Ⅲ.広告素材ごとの権利
Ⅳ.広告自体に働く権利
Ⅴ.広告の著作者と著作権
Ⅵ.特に注意すべき広告素材達
Ⅶ.シンボル開発とパロディ
Ⅷ.使いたい素材への対応等
Ⅸ.広告の契約と契約書
Ⅹ.本格的ネット時代の広告と著作権
ⅩⅠ.こんな時、どう考えどう対応する?Q&A

 

本書の特徴

ずばり、「わかりやすさ」でしょうか。

 裁判になった事件のイラストが多数引用されていたり、記載内容も広告実務に即した具体例が多い点は評価できると思います。もちろん、「うーん...」と思う箇所が個人的にないわけではありませんが*1、現場担当者向けという点を踏まえれば十分かと思います。

 

※なお、改正著作権法(柔軟な権利制限規定等)には対応していません。TPP発行に伴う改正については少し言及があります。

 

・広告の著作権の構造の説明

f:id:kanegoonta:20190103162949j:plain

50、51ページ

 広告の著作権を「2段構造」として分けて解説されています。ちなみに、他のページではストックフォト利用時の注意点とかも書かれていたり。

 

 

・裁判例の解説

f:id:kanegoonta:20190103163121j:plain

102、103ページ
 裁判例の紹介は簡潔にまとめられており、図も多く使われています。わかりやすさを重視しているため、裁判例の事件番号はかかれていないですし、脚注もありません。(個人的には、参考文献くらいは巻末にいれておいてほしいなぁと思ったり)

 

・素材を使って広告制作をする場合のフローチャート

f:id:kanegoonta:20190103163204j:plain

158、159ページ

  「とあるコンテンツを利用して広告を使いたいときに、権利関係をどうかんがえたらいいのか」をフローチャートに沿って解決できるようになっています。もちろん、これだけでは不十分な面もなきにしもあらずですが、権利関係のハードルの温度感は理解できます。

 

 ・簡易的な契約書の雛形と説明

f:id:kanegoonta:20190103163227j:plain

192、193ページ

  契約書の雛形もあります。結構契約書を締結しない雰囲気のある業界でもあるので、簡易的なものでもいいので契約書は結んでおけ、ということですね。

 

 個人的には、本書を読んだ後に「広告法」を読むことをオススメしたいですね。

*1:特に著者の自説が述べられている箇所や著作権の制限規定の検討が甘いと思われる箇所、広告の「美術の著作物」への該当性の検討の箇所等

2018年の振り返りと2019年の抱負

f:id:kanegoonta:20190101120353j:plain

sunrise,©Janice Waltzer,CC BY-SA 2.0

 

あけましておめでとうございます。

 

皆様、昨年は大変お世話になりました。

 

さくっと2018年の振り返りと2019年の抱負をしていきます。

 

2018年の振り返り

・仕事

 法務4年目になってかなり仕事の幅は広がってきた気がします。(相変わらず下っ端ですが。苦笑)意図せずデジタルマーケティング領域にぶっこまれたので、アドテクと法という面で事業部と顔を合わせて一緒に日々悩みながら進めていくという貴重な経験ができました。

 

イメージとしては

「法務」×「知財

だったのが 

「法務」×「知財」×「アドテク」×「プライバシー(少しセキュリティ含む)」

になりました。

 

とはいえ、

・仕事のタイムマネジメント力が低い(仕事が遅いだけですが)

・英文契約書のスキルが皆無(というか私の英語力、低すぎ…)

・ITやセキュリティの知識がまだまだ足りない(企画側や開発側と話ができない)

 このあたりは課題だなぁと思うところです。

 

・プライベート?

去年のブログでは、こんな目標でした。

  • ブログ更新:月2回以上
  • 読書:月3冊以上
  • 英語:一日1時間程度
  • プログラム:一日1時間程度
  • テニス:試合にでて勝つ

どれもできてないよwwww

 とりあえず、大学院を卒業して、情報インプットとアプトプットの質と量が落ちたという認識なのでとりあえず、ここは上げたいですね。

 

2019年の抱負 

 知ってますか?もう平成生まれのゆとり第一世代(円周率は3で習った)も30歳に突入し始めるんですよ?もう若くないし、二郎とかキツイんですよ。(そこじゃない

 今年のアドベントカレンダーでもキャリア論が盛り上がりましたが、その辺も考えながら1年過ごしたいと思っています。

 

・仕事?

業務効率化に重点を置いていこうと思います。

今考えている業務効率化だと

・定型契約審査の外注、一部現場側でのレビュー、一部約款化

・契約締結の電子化(クラウドサイン等)

・契約書DBとCRMの連携

・法律相談の自動化

・個人情報マネジメントシステムの自動化

あとは効率化じゃないけど法務からの情報発信(法務って受身の対応が多いから)

 

・プライベート?

 iPadも買ったし、裁断機もスキャナーも買ってあるので自炊もできるし、このあたりを駆使していきたいですね。

 

 というわけで、今年はあえて数字的目標をおかずに以下でいきます。

・ガンガン積読する(読むとは言ってない)

・法務に限らず、趣味も含めて情報収集して発信していく

・なにか情報系の資格をとる

・英語がんばるお(・ω・)

・体型と髪の毛を維持する

・ヨガ中に寝ない

・テニスの試合にでる

 

 

さっそく積ん読 

 

 

 

 

2019年もkanekoをよろしくお願いします!

 

 

「法務系アドベントカレンダー2018」を終えて LegalAC

f:id:kanegoonta:20181225004812j:plain

 

 25日間にわたるアドベントカレンダーも無事に終わり、ほっとしている幹事です。

 幹事としてたいしたことはしておりませんが、エントリーいただいた皆様、各エントリーを読んでいただいた皆様本当にありがとうございました!!

 

adventar.org

 

 皆様の エントリーやコメント、非常に勉強になりました。キャリア論(法務ポエム?)に始まり、法務TIPS系(Github、書籍紹介、Legaltech)やプロジェクトマネジメント論(法務組織論)、勉強(会)との両立、ガチ法律解説など、幅広い話題で盛り上がりました。

 

 まもなく年末年始休暇に入る方が多くいるかと思いますが、今年のエントリーだけでなく、過去のアドベントカレンダーも振り返りつつ年末年始の酒の肴にしてはいかがでしょうか。

 

さて、来年の幹事は誰になるんでしょうね?(遠い目

 

それでは、皆様よいお年を!!!!!!

 

※あ、どこからともなく、打ち上げLegalAC打ち上げ(オフ会)の要望(黙示的な要求を含むがこれに限らない)が来ておりますが、誰か手伝って頂ける方募集です(泣)