久しぶりの更新。
データ分析において重要となる因果関係の考え方について、わかりやすく解説した入門書。
新書なのでさくっと読めます。
この本のすごいところはデータ分析に関する本なのに「数式がでてこない」。
図表や具体例を挙げて説明されているため、
数式を見ると目がクラクラする私にとっては最適な本でした。
本書は、ランダム化比較試験(RCT)、RDデザイン、集積分析、パネル・データ分析といった分析手法の説明だけでなく、それぞれのメリット・デメリットもわかりやすく解説されています。
※上記はパネル・データ分析に関する項目
良質なデータを取得・解析して因果関係を導くことの難しさを実感するともに
ビックデータやAIがバズワードになっている現状において、
相関関係と因果関係をしっかり見極める力を身につける必要性を改めて感じました。
また、この因果関係を見極める力は知財実務にも必要な知識だとも感じました。
例えば、特許公報(特許出願・登録動向等)と統計情報・技術情報等を組み合わせて分析してパテントマップ等を作成する場合、
「特定の分野の出願が増えた(減った)」ときに
・何が原因なのか・何が影響を与えたのか
・影響を与えたと思われる(仮定した)事象は特許の出願動向と因果関係があるのか
といったことを考える必要があると思います。(他にも考えるべきことがあると思いますが)
こういったときにおいて本書の分析方法は有効なのかもしれません(実務してないからわかんないけど)。